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バンドはかぞく、バンドとかぞく - Chef をつづる② -

 

今回のエッセイ、万が一家族に見られても大丈夫な感じにしたい。

 

 

父は料理人である。

 

 

若い頃から好きで、調理器具や調味料なんかを買い集めては作っていたらしい。

 

 

母も料理が上手いので、おかげで自慢じゃないが私の舌はそれなりに肥えている。

 

友達によると、美味いものと不味いものに対する態度がわかりやすく、さらに美味いものは食べるペースが早いらしい。

 

 

今後彼女ができても、手料理を作ってもらうなら自分が作りたい程だ。

これも自慢じゃ無いが、私の料理ははっきり言って下手では無い。

 

 

大丈夫だ、そんな奴に彼女は出来ない。

 

あれ、おかしいな、目が潤ってきたぞ……

 

 

 

父が作っていたのは創作料理だった。

 

 

色んな知識を集め、アイデアを真似て、面白くて美味しいものを作る事が父の仕事なのだ。

 

 

父の作る料理で笑う人を見た事だって当然ある。

 

皆んな嬉しそうに食べながら酒を飲み、話をするのだ。

 

 

そんな環境が当然好きであろうから、ほとんど子供に干渉しなかった。

 

父からは育ててもらったという意識はあまり無い。

どちらかと言えば育ててもらったのは偉大なる母からである。

 

でも当時も今も変わらず、私は父が誇らしく、好きなのだ。

 

 

私は誰かの為に音楽をやる事を目的としたかった。

 

心を引きつけ、何かの力になる音楽がしたかった。

 

 

そこで父の作った世界は、少なからず私の憧れだったのである。

 

音楽と料理、同じ道では無く、直接的な関係性は無い。

 

 

しかし、考えながら作り出し、誰かに提供する事で役割を全うするところで共通してると思うのだ。

 

そしてそれが楽しく、面白いなら素晴らしい。

 

シェフは面白いものを誰かの為に作る人

として考えるようになった。

 

これは当時のバンドに対する思いと同じだった。

 

 

可愛くてダサい固有名詞でシェフって付けました!とはその場しのぎの理由である。

 

今書いてても恥ずかしいくらいだが、シェフという名前にそういう気持ちを詰め込んでいたのだ。

 

実際そうそう上手くはいかなかったけどね笑

 

そしてimpair spleenの話はここでは言えない。

 

どうしてって?あれだけためたのにって?

 

大人の都合だよ。

 

皆んなは小さい頃にサンタの正体を明かされたかい?

子供はどうやってできるの?って言われてコウノトリの話をされたことは?

 

公には言ってはいけない事があるだろう、impair spleenの話はそれだよ。

 

文句があるならメンバーに聞いてくれよ、直接。

 

 

バンド名の由来はこんな感じだ。

 

あともうちょっとだけこのテーマは続きます。

 

どうぞよければお付き合いを。

バンドはかぞく、バンドとかぞく - Chefをつづる① -

 

「Chef  impair spleenってどういう意味なんですか?」

 

 

バンド活動をしておそらく最も聞かれたのがこの質問だ。

 

 

私達がこの名前を名乗るようになったのには勿論それなりの経緯があるのだが、いかんせん要約するのが面倒なのと、長く話す割には与える中身が薄いため、なんとなく誤魔化して適当に話すしかなかった。

 

「バンド名の由来」

 

後何回かで終わるであろうこのエッセイの、本日のテーマである。

 

 

バンドマンの皆さんは1度聞いたことがないだろうか。

 

ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

BUMP OF CHICKEN

 

このような英単語3つを並べ、かつ「あ行」から始まり「ん」で終わるバンド名は

 

 

まあまあの確率で「売れる」と。

 

 

 

例えが偉大過ぎるのは、ここでは問題ではない。

 

この噂を見事に信じた男がいる。

 

 

私だ。

 

 

その噂によると、名前のニュアンスが良くなるから覚えてもらいやすいというのだ。

 

あと略しやすいとかなんとかもあるみたいだ。

 

後者は別に言葉の選びようだが、前者は確かに一理ある。

 

もう例に挙げたバンド名とか流れが良すぎて1秒で言えちゃうよね。

 

 

ごめん言えないわ、測ったら2秒5くらいだったわ。

 

 

そんなところで、バンド名は「英単語3つ」「あ行始まりのん終わり」という2要素で決めると心に誓ったのが高校3年の夏前、受験勉強をしようにもやり方がわからずとりあえずノートに単語書いて「結局センター試験ってなに?」と考えながら完全上の空だった時だ。

 

 

しかし、うんともすんともあ行の英単語が見つからない。

 

見つけてももうだいたい誰かが使っている。

 

やっぱり他で聞いたことあるやつはちょっと使うのためらう。

 

悩んだ挙句心に誓ったはずの「あ行始まり」をまず無かったことにした。

 

 

その代わりに、皆んなに覚えてもらえるような、固有名詞をつけるのはどうかと考えた。

 

例えバンド名が訳分からなくても、固有名詞を付けておけば、その名前で呼んでもらえる。そのまま略した事にもなるので良いアイデアだと思った。

 

 

付けても大丈夫そうな固有名詞を身の回りで探す日々。

 

それでも簡単に見つかる訳はなく、今ひとつだなあとしっくりこない。

 

 

身の回り…身近なもの……

 

みのわまり……ミノノマワワワ………

 

 

シェフ

 

シェフは?

 

シェフだ〜

 

シェフだわ〜

 

決まったのである。

 

 

どうしてシェフなのかは次回のお話。

 

 

 

受験勉強はちなみに2学期からようやく理解して取り組みましたとさ。

 

べつにいいじゃないか - 2man liveをつづる -

 

ある友人?後輩?から山桜の盆栽セットをもらった。

 

 

私は実を言うと、人間以外の動物があまり得意ではない。

 

犬は幼少の頃のトラウマで未だ小型犬でも怖い。いやむしろトラウマの元は小型犬であったので手の施しようがない。

 

猫に関してはアレルギーがあるので近寄れない。

 

そして猫顔はアレルギーこそないがあまりタイプではない。

 

私が好きな顔は鳥もしくはキツネ系、あるいは両方のバランスをとったタイプである。

 

 

え、お前のタイプとか聞いてないって?

 

俺は自分の顔はどちらかというと犬あるいは狸だなって思う話もいらないって?

 

高校の仲良くない犬顔の同級生と、嫌いだった担任に「大田くんは犬顔だよね」ってなんの脈絡もなく言われてうんともすんともワオーンとも言えずにそれ以降全く話す事は無かったっていう話もいらないの?

 

 

 

話が逸れた。

 

山桜は育ち花が咲くのに5年かかるそうだ。

 

俺も植物という命に触れ、育てる事で何か変わるかもしれないと息巻いて説明書を読んだ時に知った。

 

何も変わらず、目だけがたちまち白眼に変わったというお話である。

 

 

 

3月18日、Chef impair spleenというバンドの最後のライブが幕を閉じた。

 

ずっと背中を追ってきたつもりだった対バンのこんにちわず、本当にありがとう。

 

最後7人でステージに立った時、それぞれ違うけど、一緒に歩いているんだなと思った。

 

 

当日は静岡朝日テレビmusicるTV@Shizuoka』という音楽番組に取材に来て頂いた。

 

本当に1日通して撮影して頂き、お世話になりました。

このお仕事に何か貢献できないかという気持ちで、今の自分たちができる演奏をやり通した。

 

 

ハンドを始めたきっかけは、テレビの前の長髪でやせ細った、少しダサい格好をしたロックスターである。

 

「ああ、俺はこの人になるんだ」

 

そう思ってお姉ちゃんの弾かなくなったギターを借り、Fメジャーで挫折、1ヶ月ウイニングイレブン8をプレイしたのち再度練習を始めたのが10年前だ。(ウイイレはリーグモードでセリエAに勝ち上がる方法がわからず、というかとりあえずセリエAが良いっしょ!としか思ってなかった為、続かなかった。

例えばアンパンマンを知り食パンマンを知らず、といったところである。)

 

 

自らがロックを志し、やる上でのアイデンティティが彼であった。

 

彼は1人という存在、2人称として存在する他者を重んじる人だった。

 

そんな人の書く曲が見事に刺さった。

人の接し方や馴染み方がわからず、悩まなくて良いことまで悩んで頭が一杯だった私は、彼の曲を聴きながら、なんとかなる、明日は良くなると言い聞かせた。

 

 

Chef impair spleenというバンドで、同じ事を体現しようとしたんだと思う。

 

初期に書いた曲を聴き直してみた。

 

ある人に歌詞が説教臭いと教えてもらったが、なるほどその通りに思えた。

 

説教は耳が痛いし、人の為と思っているだけで、実は言葉の痛いとこしか相手には残らず、暖かさはほんの少しも伝わらないのがお説教というものだ。

 

 わかりやすい言葉だと安っぽくなると思い、凝った感じや難しい言葉を調べ、勉強し、散りばめてみた。

 

 

誰かの為に伝えよう、誰かの救いになろう、ロックバンドはそういうものを体現し、形にできると信じていた。

 

 

これが音楽を聴く人にも、そして自分にも重いと気付いたのは、3年経ったのちChefを止めようと決めたその時である。

 

 

だけどそんな曲たちも、あの場所で歌った時、確かに聴いてくれた人がいたんだと思った。

曲に動かされて続けてきたんだなと思ったのだ。

 

Chef impair spleenとして作ってきたものの全ては、それはそれで良かったのである。

 

 

みんな違うから、1人としてちゃんと認める。1人として向き合う。

 

みんなで1つになろう。

 

 

もうどっちでも良くなってきている。

 

 

1人1人が違うとか、1つになろうとか、もうなんだか、そういうのいちいちうるさい。

 

別になんだって良いんだ。

どっちも正しい。でもどっちじゃなきゃダメなんてことはない。

 

なんだっていいのだ。

 

そう考えると楽しくなって、ちょっとだけ肩の力が抜けた。

 

 

まああんな贅沢は場所にまた簡単に戻ろうなんて、今の立場では言えない。

 

 

 

誰かに寄り添う事をやめた。

誰かの為に音楽をする事をやめた。

 

 

私はロックスターではない。

 

そしてロックスターにはなれないのだ。

 

今はそれで結構である。

 

 

普通の人になる。

 

普通の人として音楽を続ける事がしたい。

 

もしあの日、G-sideでお客さんと一緒に音楽をした私が、ロックスターでは全然なかったら

 

それが一番嬉しい。

 

新しい自分の始まりである。

 

 

 

今朝腰が爆裂した。

 

立てない。

 

誰かーーーーーーーーー!!!!!

たーすけてぇーーーー!!!!!